①海水濃縮の方法!

浜比嘉島の塩工房

2012年09月11日 23:28

はいさい塩職人の高江洲です。

9月に入り、朝、夕は少し涼しくなったかなぁ~・・・と思える
今日、この頃です。

流下式塩田の小砂利の上ではバッタが休憩中・・・

浜比嘉島の塩工房では
昔ながらの製塩方法「流下式塩田」の見学が出来るようになって半年が経ちました・・・

ってゆうか、まだ半年なので、地元(うるま市)の方々にはあまり認知されていません・・・
(地元の人ほど来ないものです)

見学に来られるお客様は、ドライブがてらに訪れた南部方面の方や、「看板」を見て興味津々で来た観光客の方々など・・・

浜比嘉島でお塩を作っている・・・ということを知っていただく為に海水から塩が出来るまでの工程を紹介したいと思います。

塩作りには
「塩分濃度の濃い海水を作り、それを煮詰める」という2つの工程があります。

塩分濃度の濃い海水の事を「鹹水(かんすい)」と言い、
鹹水を作る方法を「採鹹(さいかん)」と言います。

今日は
採鹹方法→流下式塩田の海水濃縮のしくみを紹介します・・・


①取水:満潮時に海水をポンプで取水します・・・

②滴下:取水した海水を小型ポンプで竹枝の上(小桶部分)に汲み上げ、竹枝をつたって海水が滴り落ちます・・・

  ・・・(滴り落ちる時に風の力で水分が蒸発します)・・・

③流下:滴り落ちた海水は「とい」を流れ、流下盤へ流れていきます・・・

  ・・・(流れてくる間に太陽と風の力でさらに蒸発させる)・・・

④循環:流下盤を流れてきた海水がタンクに戻り、
  ポンプでまた、汲み上げます・・・



晴れている間、循環を繰り返して自然の力で水分を蒸発させ、塩分濃度の高い海水を作ります。

えっ 雨の日はどうするのかって・・・

滴り落ちた海水がタンクに戻るまで、1時間ほどかかります。
雨がふりそうだなぁ~・・・と思ったら、1時間前にポンプを止めなくてはなりません・・・

ところで、みなさん、海水の塩分濃度ってご存知ですか

・・・約4%、、、たったの約4%しかないんです・・・

残りの96%以上は水分なので、海水をそのまま煮詰めて塩に
するには大変、効率の悪い塩作りになってしまいます。
その為、昔から日本の塩作りは「いったん濃度の濃い海水にして煮詰める」という方法を繰り返してきました。

海水を濃縮する技術は大変、進歩してきましたが、原理は変わりません。

「流下式塩田」は自然の力(太陽と風)で水分を蒸発させ、濃縮させることで、「にがり成分」を多く含み、
粗塩でまろやかな味わいとなっています。

「百聞は一見にしかず」・・・流下式塩田を詳しく見学してみたい・・・と思われた方は是非、浜比嘉島の塩工房までお気軽にお越し下さい。

見学(無料)で塩職人が丁寧にご説明します。

営業時間:9時~17時まで

次回は「濃縮した海水を焚き上げる(煎ごう)」をご紹介します。