①海水濃縮の方法!
はいさい塩職人の高江洲です。
9月に入り、朝、夕は少し涼しくなったかなぁ~・・・と思える
今日、この頃です。
流下式塩田の小砂利の上では
バッタが休憩中・・・
浜比嘉島の塩工房では
昔ながらの製塩方法「流下式塩田」の見学が出来るようになって半年が経ちました・・・
ってゆうか、
まだ半年なので、地元(うるま市)の方々にはあまり認知されていません・・・
(地元の人ほど来ないものです)
見学に来られるお客様は、ドライブがてらに訪れた南部方面の方や
、「看板」を見て興味津々で来た観光客の方々など・・・
浜比嘉島でお塩を作っている・・・ということを知っていただく為に
海水から塩が出来るまでの工程を紹介したいと思います。
塩作りには
「塩分濃度の濃い海水を作り、それを煮詰める」という2つの工程があります。
塩分濃度の濃い海水の事を
「鹹水(かんすい)」と言い、
鹹水を作る方法を
「採鹹(さいかん)」と言います。
今日は
採鹹方法→流下式塩田の海水濃縮のしくみを紹介します・・・
①取水:満潮時に海水をポンプで取水します・・・
↓
②滴下:取水した海水を小型ポンプで竹枝の上(小桶部分)に汲み上げ、竹枝をつたって海水が滴り落ちます・・・
↓
・・・(滴り落ちる時に風の力で水分が蒸発します)・・・
③流下:滴り落ちた海水は「とい」を流れ、流下盤へ流れていきます・・・
↓
・・・(流れてくる間に太陽と風の力でさらに蒸発させる)・・・
④循環:流下盤を流れてきた海水がタンクに戻り、
ポンプでまた、汲み上げます・・・
↓
晴れている間、循環を繰り返して自然の力で水分を蒸発させ、塩分濃度の高い海水を作ります。
えっ 雨の日はどうするのかって・・・
滴り落ちた海水がタンクに戻るまで、1時間ほどかかります。
雨がふりそうだなぁ~・・・と思ったら、1時間前にポンプを止めなくてはなりません・・・
ところで、みなさん、海水の塩分濃度ってご存知ですか
・・・約4%、、、たったの約4%しかないんです・・・
残りの96%以上は水分なので、海水をそのまま煮詰めて塩に
するには大変、効率の悪い塩作りになってしまいます。
その為、昔から日本の塩作りは
「いったん濃度の濃い海水にして煮詰める」という方法を繰り返してきました。
海水を濃縮する技術は大変、進歩してきましたが、原理は変わりません。
「流下式塩田」は自然の力(太陽と風)で水分を蒸発させ、濃縮させることで、
「にがり成分」を多く含み、
粗塩でまろやかな味わいとなっています。
「百聞は一見にしかず」・・・流下式塩田を詳しく見学してみたい・・・と思われた方は是非、浜比嘉島の塩工房までお気軽にお越し下さい。
見学(無料)で塩職人が丁寧にご説明します。
営業時間:9時~17時まで
次回は「濃縮した海水を焚き上げる(煎ごう)」をご紹介します。